『マインクラフトのパチモノ』論争(ろんそう)から見る(みる)中国人(ちゅうごくじん)意識(いしき)変化(へんか)山谷(やまたに)剛史(たけし)


(いま)中国(ちゅうごく)のキッズゲーマーの()論争(ろんそう)起き(おき)ているという。日本人(にっぽんじん)(むかし)学校(がっこう)で、任天堂(にんてんどう)()とソニー()、あるいはセガ()加わっ(くわわっ)舌戦(ぜっせん)がおこなわれたようなことが、中国(ちゅうごく)学校(がっこう)休み(やすみ)時間(じかん)起き(おき)ている。トピックは「迷你世界(せかい)(Mini World)」なるゲームの是非(ぜひ)についてだ。

「Mini World」は、深セン(しんせん)のMini Worldが2015(ねん)にリリースしたサンドボックスゲームだ。ゲームデザインは(べい)マイクロソフトのMinecraft(マインクラフト)にそっくりな作り(つくり)になっている。

Twitterに対する()(はく)(Weibo)や、Googleに対する(ひゃく)()(Baidu)のように、”米国(べいこく)(せい)真似(まね)た”中国(ちゅうごく)(はつ)のサービスは、本家(ほんけ)サービスよりも中国人(ちゅうごくじん)のハートを射抜き(いぬき)中国(ちゅうごく)国民(こくみん)愛さ(あいさ)れることが多い(おおい)。Mini Worldもその(れい)漏れ(もれ)ず、中国(ちゅうごく)ではマインクラフトよりも人気(にんき)博し(はくし)ている。

Mini Worldは本家(ほんけ)をしのぐ部分(ぶぶん)もあり、サンドボックスゲームでありながら、動き(うごき)本家(ほんけ)マインクラフトよりも滑らか(なめらか)になり、カクカクさが減っ(へっ)ている。また、アイテムや生物(せいぶつ)やキャラクターの種類(しゅるい)もマインクラフトより多い(おおい)



本家(ほんけ)マインクラフトは中国(ちゅうごく)で2011(ねん)にリリースされている。2017(ねん)には大手(おおて)ネット企業(きぎょう)(あみ)(えき)(NetEase)が運営(うんえい)開始(かいし)したが、筆者(ひっしゃ)がそれ以前(いぜん)にもマインクラフトは中国(ちゅうごく)人気(にんき)()ていたと記憶(きおく)している。

筆者(ひっしゃ)自身(じしん)当時(とうじ)中国(ちゅうごく)でのマインクラフトの人気(にんき)ぶりについてとあるメディアの記事(きじ)で「掲示板(けいじばん)サイトのマインクラフトフォーラムのフォロワー(すう)書き込み(かきこみ)(すう)当時(とうじ)売り出さ(うりださ)れたPS4以上(いじょう)人気(にんき)」「ゲーム実況(じっきょう)動画(どうが)や、作品(さくひん)紹介(しょうかい)動画(どうが)人気(にんき)」と書い(かい)ていた。

当時(とうじ)から(いま)至る(いたる)までレゴブロックと互換(ごかん)でレゴ()承認(しょうにん)、マインクラフト()承認(しょうにん)(げき)(やす)ブロックおもちゃが多数(たすう)販売(はんばい)されている。有象無象(うぞうむぞう)会社(かいしゃ)からブロックおもちゃが出る(でる)のは人気(にんき)(あかし)であり、ブロックおもちゃによりますますマインクラフトはキッズの()認知(にんち)されていった。2019(ねん)現在(げんざい)中国(ちゅうごく)キッズは、Mini Worldとマインクラフトが両方(りょうほう)とも遊べる(あそべる)状況(じょうきょう)となっている。


▲Mini World()水色(みずいろ))とマインクラフト()()(みどり))で拮抗(きっこう)している。両派(りょうは)とも夏休み(なつやすみ)冬休み(ふゆやすみ)、または週末(しゅうまつ)遊ば(あそば)れているようだ

かくして、元祖(がんそ)「マインクラフト」推し(おし)と、後発(こうはつ)の「Mini World」推し(おし)が、日々(ひび)学校(がっこう)やネット論壇(ろんだん)論戦(ろんせん)しているのである。

マインクラフト()はこれこそが(だい)正義(まさよし)、Mini Worldは見た目(みため)がよい進化(しんか)(けい)だとそれぞれ主張(しゅちょう)する。マインクラフト()のキッズはMini Worldについて、「あんなものはパクリだ邪道(じゃどう)中国(ちゅうごく)(はじ)だ」「(あみ)(えき)権利(けんり)購入(こうにゅう)したのにパチモンを出す(だす)とはどういうことだ」とけなす動画(どうが)をこれでもかとアップした。また、彼ら(かれら)はWeChat(()(しん))のスタンプを作成(さくせい)した。すなわち推し(おし)のサービスのスタンプを作成(さくせい)拡散(かくさん)するとともに、敵対(てきたい)するサービスを非難(ひなん)するスタンプも作成(さくせい)拡散(かくさん)させた。

マインクラフト()はMini Worldユーザーのことを「迷你(いぬ)(Mini(いぬ)、※)」と呼ぶ(よぶ)中国(ちゅうごく)検索(けんさく)サイトで迷你(いぬ)検索(けんさく)すると、Mini Worldをディスる動画(どうが)などのコンテンツを多数(たすう)見つける(みつける)ことができよう(※中国(ちゅうごく)で「(いぬ)(いぬ)」は、ペットとして人気(にんき)であるが、一方(いっぽう)言葉(ことば)として使う(つかう)とネガティブなニュアンスとなる)。


▲マインクラフト()とMini World()動画(どうが)による宣教(せんきょう)続く(つずく)

さて、中国(ちゅうごく)市場(しじょう)(ひゃく)()がGoogleのシェアを奪っ(うばっ)たのはまだ中国(ちゅうごく)のインターネット人口(じんこう)少ない(すくない)(とき)であり、Google利用(りよう)(しゃ)中国(ちゅうごく)でインターネット利用(りよう)(れき)長い(ながい)「インターネット老人(ろうじん)」だけであり、新参(しんざん)のインターネット利用(りよう)(しゃ)(ひゃく)()利用(りよう)していった。

チャット・SNSの()(はく)(Weibo)や()(しん)(WeChat)も動画(どうが)サイトも、TwitterやWhatsAppやYouTubeが中国(ちゅうごく)()付く(つく)(まえ)登場(とうじょう)し、外国(がいこく)のサイトは中国(ちゅうごく)作る(つくる)国境(こっきょう)のような「(あみ)(さかい)」の(まえ)利用(りよう)できなくなり、()追い(おい)中国(ちゅうごく)ネットサービスが栄え(さかえ)た。もはや中国(ちゅうごく)のイントラネット(ない)にはパクリ(もと)存在(そんざい)すら知ら(しら)ない(ひと)多い(おおい)

ところがマインクラフトについては、本家(ほんけ)長く(ながく)中国(ちゅうごく)でサービスを続ける(つずける)ことができた結果(けっか)、すこぶる中国(ちゅうごく)人気(にんき)となっている。そのため、マインクラフト()(いち)定数(ていすう)いて、後続(こうぞく)のMini World()許す(ゆるす)まじ、パクリサービスはよくないと、学校(がっこう)やネットで宣教(せんきょう)活動(かつどう)している状況(じょうきょう)だ。単なる(たんなる)マインクラフトのまがい物の論考(ろんこう)超え(こえ)、はじめて中国(ちゅうごく)のまがい物ネットサービスの可否(かひ)についての論考(ろんこう)がマスで行わ(おこなわ)れていると言っ(いっ)ていい。

加え(くわえ)中国(ちゅうごく)世代(せだい)交代(こうたい)日本(にっぽん)比べ(くらべ)恐ろしく(おそろしく)早い(はやい)中国(ちゅうごく)のネットユーザーの主役(しゅやく)は、80(きさき)(1980年代(ねんだい)生まれ(うまれ))から90(きさき)(1990年代(ねんだい)生まれ(うまれ))、そして95(きさき)(1995(ねん)~99(ねん)生まれ(うまれ))と代わり(かわり)古い(ふるい)世代(せだい)蚊帳(かや)(そと)とばかりに追い出さ(おいださ)れている。変化(へんか)激しい(はげしい)中国(ちゅうごく)らしい現象(げんしょう)だ。ともなれば、マインクラフト論争(ろんそう)起こし(おこし)ている00(きさき)(2000年代(ねんだい)生まれ(うまれ))の人々(ひとびと)がもうすぐ大学生(だいがくせい)になり社会(しゃかい)(じん)になり、消費(しょうひ)やネットの主役(しゅやく)となる。

10(ねん)(まえ)、それ以上(いじょう)(まえ)には、『(せん)千尋(ちひろ)神隠し(かみがくし)』が「安い(やすい)から」いう理由(りゆう)無料(むりょう)海賊版(かいぞくばん)()られることが常識(じょうしき)だった。(いま)はたくさんの消費(しょうひ)(しゃ)(きん)払っ(はらっ)映画(えいが)(かん)で「(せん)千尋(ちひろ)神隠し(かみがくし)」を見る(みる)ようになった。中国(ちゅうごく)では10(さい)違え(ちがえ)ば、モラルも変わる(かわる)。10(ねん)()、あるいは(すう)(ねん)()には「パクリゲームやパクリサービスはよくない」という考え(かんがえ)常識(じょうしき)となるかもしれない。 関連(かんれん)記事(きじ)(しょう)覇王(はおう)」–中国(ちゅうごく)でニセファミコンを作り(つくり)続け(つずけ)たメーカー(山谷(やまたに)剛史(たけし)

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