菅氏これまでも「リンク論」容認発言 基地と沖縄振興、従来政府方針の転換か

菅義偉官房長官

 【東京】菅義偉官房長官が3日の定例会見で、那覇空港の滑走路増設という沖縄振興と基地問題をリンク(関連付け)させた発言をした。菅氏はこれまでも沖縄振興と基地問題の「リンク」発言を重ねてきているが、沖縄県はもちろん、従来の自民党政権や安倍政権の閣僚からもリンクはさせないとする姿勢が続いてきた。次期首相と目される菅氏のリンク容認姿勢は従来姿勢からの転換とも読め、沖縄関係予算や次期沖縄振興計画策定を巡る議論に影響を及ぼすことになる。 



 沖縄振興と基地問題のリンクを巡って、県には「基地と振興策はリンクしたものではない」との方針があったが、2004年当時の牧野浩隆副知事の県議会発言がこの方針に反しているとして約8時間空転する事態が起きた。それほど「リンク論」は機微に触れる問題として続いてきた。リンク論への反発は「金を与えるから基地を容認せよ」という「アメとムチ」の構図と重なるためだ。



 政府もリンクは認めてこなかった。1997年の復帰25周年記念式典で当時の橋本龍太郎首相は、振興策は辺野古移設の海上基地建設が前提かと問われ「二つの問題を一緒にされるのはとても悲しく聞こえる」との認識を示した。さらに2015年には、安倍内閣の山口俊一沖縄担当相が「膨大な国家予算、あるいは待遇と引き換えの米軍基地は論外だ」と明確にリンク論を批判していた。



 菅氏の言及した那覇空港第2滑走路については、安倍晋三首相が当時の仲井真弘多知事との会談で、「まさに安倍政権の経済の柱にもなる財政政策の重要な政策」と強調。「沖縄に世界中からたくさんの人たちが便利に訪れることができるというのは日本の成長にも、もちろん沖縄の成長にも大きなプラスになっていく」と日本振興の観点からも推し進める姿勢を示していた。



 一方で菅氏は17年、沖縄振興の展望と基地問題との関係で「結果的にリンクする」と述べ、振興策には政府の基地政策への協力が条件との認識も示している。

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