安すぎるシャインマスカットにご用心 産地で盗難相次ぐ

収穫時期のブドウを盗まれた生産者の井上力四郎さん=2020年9月3日午前11時17分、群馬県榛東村広馬場、張春穎撮影

 群馬県の榛東村や高崎市などで、収穫時期を迎えたブドウやナシが相次いで大量に盗まれている。何度も被害に遭った農園もある。県内では豚が大量に盗まれたばかりで、県警が窃盗事件として警戒を強めている。


【写真】ブドウを盗まれ、防犯ブザーなどを設置した生産者の井上力四郎さん。ひもに触れるとブザーが鳴る仕組みになっている=2020年9月3日午前11時18分、群馬県榛東村広馬場、張春穎撮影


 県道沿いにブドウ園と直売所が並ぶ榛東村広馬場の産地。少し脇に入った生産者の井上力四郎さん(70)のブドウ園では、8月29、30両日の未明ごろ、高級品種シャインマスカット計約50房が盗まれた。もぎ方が明らかに違っていた。

 井上さんは「やっとここまで育てたのに」と話す。先代から引き継いで半世紀になるが、大量に盗まれたのは初めてという。「ネットで転売もできる時代。出来心で盗む量じゃない」。防犯パトロールの出発式では産地の会長として「コロナ禍で経済的に苦しくなる中、窃盗が増えるかもしれない」と、8月中旬に注意を呼びかけた矢先だった。

 29日に盗まれると、すぐにひもに触れると音が鳴る防犯ブザーやセンサーライトを設置したが、翌日も被害に。近くの農家でも被害が報告されており、悔しさを募らせている。

 ナシの産地として知られる高崎市の里見地区の農家も被害に遭った。

 8月30、31両日と9月3日のいずれも未明に、2軒の農家が被害に遭った。JAはぐくみ西部営農センターによると、シャインマスカット100房以上、ナシの木4本から500~600個が盗まれた。農園を囲む網を切って侵入したケースもあった。「天候不順で数量が少ないだけに、生産者のショックは大きい」と清水晋センター長。

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