韓国(かんこく)若者(わかもの)が「確実(かくじつ)小さい(ちいさい)幸せ(しあわせ)」を求める(もとめる)理由(りゆう)

前回(ぜんかい)続き(つずき)韓国(かんこく)若者(わかもの)たちが抱く(いだく)日本(にっぽん)への興味(きょうみ)韓国(かんこく)国内(こくない)のトレンドについてリポートします(写真(しゃしん)筆者(ひっしゃ)撮影(さつえい)

(もと)徴用(ちょうよう)(こう)問題(もんだい)輸出(ゆしゅつ)優遇(ゆうぐう)措置(そち)解除(かいじょ)などで緊迫(きんぱく)する(にち)(かん)関係(かんけい)前回(ぜんかい)記事(きじ)韓国(かんこく)若者(わかもの)6(にん)語る(かたる)「ヘル朝鮮(ちょうせん)」と「(たい)(にち)感情(かんじょう)では、「政治(せいじ)関心(かんしん)がない」にもかかわらず、日本(にっぽん)感情(かんじょう)(てき)なしこりを持っ(もっ)ている韓国(かんこく)若者(わかもの)たちの(こえ)をお伝えしました。ただ、日本(にっぽん)に対する政治(せいじ)(てき)感情(かんじょう)文化(ぶんか)(てき)興味(きょうみ)完全(かんぜん)切り分け(きりわけ)られています。今回(こんかい)記事(きじ)では文化(ぶんか)(めん)中心(ちゅうしん)に、若者(わかもの)たちの(こえ)紹介(しょうかい)します。(取材(しゅざい)は3(つき)実施(じっし)したものです)

訪問(ほうもん)取材(しゅざい)(しゃ)
①A(くん):25(さい)書店(しょてん)勤務(きんむ)小説(しょうせつ)()志望(しぼう)好き(すき)作家(さっか)村上(むらかみ)春樹(はるき)
②B(くん):28(さい)広告(こうこく)代理(だいり)(てん)勤務(きんむ)()て、社員(しゃいん)(すう)(めい)動画(どうが)制作(せいさく)会社(かいしゃ)起業(きぎょう)
③C(くん):33(さい)/オンラインショッピングサイトのプログラマー。
④Dさん:20(さい)大学(だいがく)建築(けんちく)学科(がっか)専攻(せんこう)する大学生(だいがくせい)
⑤E(くん):18(さい)夜間(やかん)大学(だいがく)日本語(にほんご)学科(がっか)専攻(せんこう)将来(しょうらい)服飾(ふくしょく)関係(かんけい)志望(しぼう)
⑥Fさん:25(さい)東京(とうきょう)に4(ねん)留学(りゅうがく)ののち、現在(げんざい)はソウルで企業(きぎょう)勤務(きんむ)

日本(にっぽん)(の文化(ぶんか))が好き(すき)韓国(かんこく)若者(わかもの)

A(くん)村上(むらかみ)春樹(はるき)好き(すき)で、将来(しょうらい)小説(しょうせつ)()志望(しぼう)前回(ぜんかい)従軍(じゅうぐん)慰安(いあん)()問題(もんだい)についてネガティブな(はなし)をしていたB(きみ)も「日本(にっぽん)好き(すき)ですよ。東京(とうきょう)大阪(おおさか)沖縄(おきなわ)行っ(いっ)たことがありますが、(まち)綺麗(きれい)(ひと)親切(しんせつ)。これは韓国(かんこく)では感じる(かんじる)ことができない」と(こう)印象(いんしょう)小さい(ちいさい)(ころ)から『ONE PIECE』が大好き(だいすき)だったというDさんは、母親(ははおや)()(にん)福岡(ふくおか)行っ(いっ)たことがあるとのこと。

日本(にっぽん)にしかない化粧(けしょう)(ひん)やロイズのチョコを買い(かい)ました。日本(にっぽん)のイメージは“綺麗(きれい)”。マンガやアニメで()ていた風景(ふうけい)同じ(おなじ)驚き(おどろき)ました。(わたし)周囲(しゅうい)友達(ともだち)でも、海外(かいがい)(なか)ではとくに日本(にっぽん)行き(いき)たがっている()一番(いちばん)多い(おおい)ですね」(Dさん)

過去(かこ)公式(こうしき)日本(にっぽん)政府(せいふ)謝罪(しゃざい)しているにも関わら(かかわら)ず、安倍(あべ)政権(せいけん)謝罪(しゃざい)強く(つよく)求め(もとめ)ていたE(くん)専攻(せんこう)日本語(にほんご)親日(しんにち)だった両親(りょうしん)影響(えいきょう)で、幼い(おさない)(ころ)から日本(にっぽん)のコンテンツに囲ま(かこま)れていました。好き(すき)なマンガは『ONE PIECE』や『東京(とうきょう)(しゅ) トーキョーグール』、好き(すき)なドラマは『過保護(かほご)のカホコ』や『3(ねん)A(ぐみ)』。菅田(すげた)(すすむ)(あきら)をファッションのお手本にしていて、あいみょんも聴く(きく)というから、最近(さいきん)のJPOPもしっかりとおさえています。福岡(ふくおか)にも渡航(とこう)経験(けいけん)があります。

(こく)として謝罪(しゃざい)求める(もとめる)ほどネガティブな感情(かんじょう)抱い(だい)ているのに、日本(にっぽん)のカルチャーを好き(すき)になることには抵抗(ていこう)がない。それどころかむしろ(ちょう)好意(こうい)(てき)若者(わかもの)多い(おおい)。そんな韓国(かんこく)若者(わかもの)たちに違和感(いわかん)抱く(いだく)日本人(にっぽんじん)もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は(じつは)政治(せいじ)(てき)嫌悪(けんお)しているから、その(くに)文化(ぶんか)嫌い(きらい)」とは限ら(かぎら)ないことが、彼ら(かれら)(こえ)からわかります。

韓国(かんこく)若者(わかもの)多く(おおく)日本(にっぽん)好き(すき)だし、行っ(いっ)てみたいと思っ(おもっ)ていますよ。政府(せいふ)(かん)関係(かんけい)がよくないことについては、『政治(せいじ)()がやることだから、国民(こくみん)介入(かいにゅう)してもしょうがない』という感じ(かんじ)です」(C(くん)

トレンドキーワードは「ビンテージ」

韓国(かんこく)若者(わかもの)たちに「(いま)はやっているもの」を聞く(きく)と、まず()てくるのが防弾(ぼうだん)少年(しょうねん)(だん)(BTS)です。ご存じのようにBTSは韓国(かんこく)国内(こくない)だけでなく日本(にっぽん)全米(ぜんべい)でも(だい)ブレイク(ちゅう)男性(だんせい)グループ。全米(ぜんべい)ではアジア(けん)出身(しゅっしん)(しゃ)として初めて(はじめて)ビルボード200で1()獲得(かくとく)し、大きな(おおきな)話題(わだい)となりました。彼ら(かれら)原爆(げんばく)Tシャツを()問題(もんだい)になったことで彼ら(かれら)知っ(しっ)日本人(にっぽんじん)多い(おおい)かもしれません。

はやっている韓国(かんこく)ドラマとして複数(ふくすう)から挙がっ(あがっ)たのが『スカイキャッスル』です。子ども(こども)をソウル大学(だいがく)医学部(いがくぶ)合格(ごうかく)させるため、合格(ごうかく)(りつ)100%をうたう入試(にゅうし)コーディネーターに接触(せっしょく)する富裕(ふゆう)(そう)(おや)たちの奮闘(ふんとう)描い(えがい)たもの。韓国(かんこく)特有(とくゆう)(ちょう)学歴(がくれき)社会(しゃかい)富裕(ふゆう)(そう)家庭(かてい)余す(あます)ところなく描か(えがか)れています。

有名(ゆうめい)俳優(はいゆう)たちが出演(しゅつえん)しているわけではありませんが、受験(じゅけん)のために通う(かよう)(じゅく)問題(もんだい)など、自分(じぶん)たちにとってとても身近(みじか)切実(せつじつ)内容(ないよう)でした。同じ(おなじ)体験(たいけん)をしている若年(じゃくねん)(そう)多い(おおい)はず」(B(くん)

(えき)(ぜん)(ほら)(イクソンドン)の(まち)並み(なみ)写真(しゃしん)筆者(ひっしゃ)撮影(さつえい)

一方(いっぽう)、トレンドの傾向(けいこう)としては、(ふく)にしろカフェにしろビンテージ(けい)、すなわち(あじ)のある年代(ねんだい)もののスタイルがはやっている――と教え(おしえ)てくれたのが、Dさんです。

江南(こうなん)(カンナム:ソウル市内(しない)地区(ちく)富裕(ふゆう)(そう)住む(すむ)地域(ちいき)として知ら(しら)れている)の『アートモンスター』というカフェスタイルでビールを出す(だす)(みせ)周囲(しゅうい)ではやっています。古い(ふるい)町並み(まちなみ)建物(たてもの)をそのまま利用(りよう)していてオシャレ」(Dさん)

インスタ映え(はえ)するスポットは日本(にっぽん)同様(どうよう)韓国(かんこく)でも人気(にんき)で、(わたし)訪れ(おとずれ)(えき)(ぜん)(ほら)(イクソンドン)というエリアは、古い(ふるい)民家(みんか)集まっ(あつまっ)集落(しゅうらく)全体(ぜんたい)がトレンドスポットと化し(かし)民家(みんか)をリノベーションしたカフェやファッションアイテムの(みせ)がひしめき合っていました。まさしく「ビンテージ」です。日本(にっぽん)若年(じゃくねん)(そう)女子(じょし)()でも大変(たいへん)人気(にんき)観光(かんこう)スポットになっています。

韓国(かんこく)ではここ(すう)(ねん)、トレンドスポットの地名(ちめい)に「キル(韓国(かんこく)()で“通り(とおり)”)」をつけて呼ぶ(よぶ)のが流行(りゅうこう)になっています。その由来(ゆらい)は2014(ねん)(ごろ)のこと。(なし)(たい)(いん)(イテウォン)(えき)近く(ちかく)異国(いこく)(てき)雰囲気(ふんいき)通り(とおり)有名(ゆうめい)になり、その通り(とおり)入口(いりぐち)付近(ふきん)(むかし)陸軍(りくぐん)中央(ちゅうおう)経理(けいり)(だん)(ユッグンチュンアンキョンニダン/(げん)国軍(こくぐん)財政(ざいせい)管理(かんり)(だん))があったため、「経理(けいり)(だん)キル(キョンニダンキル)」として知ら(しら)れるようになりました。

この経理(けいり)(だん)キルの(だい)ブーム()個性(こせい)(てき)でオシャレな飲食(いんしょく)(てん)服飾(ふくしょく)(てん)などが並ぶ(ならぶ)通り(とおり)を「○○()(だん)キル」と呼ぶ(よぶ)のが流行(りゅうこう)になったのです。

望遠(ぼうえん)(ほら)(マンウォンドン)→(もち)()(だん)キル(マンニダンキル)
(まつ)(ほら)(ソンパドン)→(まつ)()(だん)キル(ソンニダンキル)
(すめらぎ)(みなみ)(ほら)(ファンナムドン)→(すめらぎ)()(だん)キル(ファンニダンキル)

こんな感じ(かんじ)です。

台湾(たいわん)グルメが人気(にんき)

その他、ヒアリングから()てきた若者(わかもの)トレンドをランダムに挙げ(あげ)ていきましょう。

■グルメ、(みせ)(しき)

タイガーシュガーの店舗(てんぽ)写真(しゃしん)筆者(ひっしゃ)撮影(さつえい)

台湾(たいわん)(はつ)グルメ。(いち)(れい)として「タイガーシュガー」のタピオカミルクティー、「ホンルイゼン」のサンドイッチ。昨今(さっこん)台湾(たいわん)サンドイッチ(てん)続々(ぞくぞく)とオープンしている。

韓国(かんこく)(しき)飲み屋(のみや)屋台(やたい)「ポチャ」。(むかし)からあるが、若者(わかもの)向け(むけ)現代(げんだい)(てき)(みせ)登場(とうじょう)している。

・『クッカンチゴ(極限(きょくげん)職業(しょくぎょう))』という映画(えいが)登場(とうじょう)した実在(じつざい)食堂(しょくどう)麻薬(まやく)取締(とりしまり)(はん)の5(にん)捜査(そうさ)のために買い取っ(かいとっ)たチキン()(だい)繁盛(はんじょう)してしまう、という(はなし)

・コイン(しき)のカラオケ。1000ウォン((やく)100(えん))で4(きょく)歌える(うたえる)

■アイテム

ホンルイゼンのサンドイッチ(写真(しゃしん)筆者(ひっしゃ)撮影(さつえい)

・「スリーコンセプトアイズ」という(ふく)のネットショッピングブランド。

古着(ふるぎ)一般(いっぱん)

映像(えいぞう)コンテンツ、メディア

・『プロデュース101』。オーディション番組(ばんぐみ)

・『アベンジャーズ』などのマーベル映画(えいが)
定額(ていがく)制動(せいどう)()配信(はいしん)サービスのNetflix。なおAmazon PrimeやHuluは浸透(しんとう)していない(Amazonは韓国(かんこく)進出(しんしゅつ)していない)
・アフリカTV 。韓国(かんこく)人気(にんき)のライブアプリ。

(しゅん)人物(じんぶつ)
パク・ボゴム俳優(はいゆう)

・PONY Syndrome、Risabae。いずれもメイク動画(どうが)配信(はいしん)するユーチューバー。

・남순Namsoon。アフリカTVで人気(にんき)

・U.M.A.우마。面白い(おもしろい)ことをするユーチューバー。

■アプリ

・マッチングアプリ「A Man Da(アマンダ)」

・「ヨギオ」をはじめとした出前(でまえ)アプリ。ウーバーイーツのようなものだが、もっと手軽(てがる)

ちなみに若者(わかもの)()では、メッセンジャーアプリはカカオトークが圧倒的(あっとうてき)強く(つよく)、LINEは少数(しょうすう)()日本(にっぽん)友達(ともだち)がいる(ひと)だけが、サブ(てき)使用(しよう)しているようでした。

また、世界(せかい)では若者(わかもの)のFacebook離れ(ばなれ)進ん(すすん)でいるといわれていますが、韓国(かんこく)ではむしろ10(だい)若者(わかもの)がFacebookを使っ(つかっ)ている、といった(はなし)若者(わかもの)たちへのインタビューからよく挙がっ(あがっ)ていました。

結婚(けっこん)後ろ向き(うしろむき)理由(りゆう)

先日(せんじつ)日本(にっぽん)では「18~39(さい)日本人(にっぽんじん)の25%に異性(いせい)(かん)(せい)交渉(こうしょう)経験(けいけん)がない」とする研究(けんきゅう)結果(けっか)がメディアで取り上げ(とりあげ)られ、大変(たいへん)話題(わだい)になりました。実際(じっさい)若者(わかもの)恋愛(れんあい)離れ(ばなれ)」は(わたし)日々(ひび)若者(わかもの)たちと話す(はなす)(なか)でも進ん(すすん)でいると感じ(かんじ)ます。

では、韓国(かんこく)若者(わかもの)恋愛(れんあい)事情(じじょう)はどのようなものなのでしょうか。まずは、目下(もっか)交際(こうさい)相手(あいて)のいない女子大(じょしだい)(せい)のDさんに、あくまで一般(いっぱん)(ろん)として韓国(かんこく)(じん)女性(じょせい)にモテる男性(だんせい)(ぞう)聞い(きい)てみました。

(だか)身長(しんちょう)で180cmは欲しい(ほしい)ですね。さっぱりした醤油(しょうゆ)(がお)で、()(じゅう)じゃない(ひと)。やはり(かお)一番(いちばん)のポイントです((えみ))」(Dさん)

日本人(にっぽんじん)女性(じょせい)同じ(おなじ)質問(しつもん)をすれば、「イケメン」と答える(こたえる)にしても、もう少し照れ(てれ)ながら答える(こたえる)ところ、躊躇(ちゅうちょ)なくルックスを(だい)(いち)挙げ(あげ)ていたのは印象(いんしょう)(てき)です。一方(いっぽう)、A(くん)交際(こうさい)相手(あいて)はいますが、周囲(しゅうい)(どう)世代(せだい)には交際(こうさい)相手(あいて)のいない(ひと)多い(おおい)言い(いい)ます。その理由(りゆう)について、こう話し(はなし)てくれました。

「1つは、結婚(けっこん)()(おっと)母親(ははおや)、つまり(しゅうと)苦しめ(くるしめ)られる女性(じょせい)のつらい(はなし)(ちまた)でたくさん聞く(きく)ので、結婚(けっこん)に対して意欲(いよく)がそがれる女性(じょせい)多い(おおい)こと。もう1つは、男性(だんせい)兵役(へいえき)義務(ぎむ)()されているためその期間(きかん)恋愛(れんあい)ができず、兵役(へいえき)から戻っ(もどっ)てきたら戻っ(もどっ)てきたで就職(しゅうしょく)準備(じゅんび)をしなければならないため、20(だい)時期(じき)にあまり交際(こうさい)時間(じかん)割け(さけ)ないことが挙げ(あげ)られます」(A(くん)

(よめ)(しゅうと)問題(もんだい)に関しては、韓国(かんこく)(じん)男性(だんせい)結婚(けっこん)して韓国(かんこく)住ん(すん)でいる(わたし)知り合い(しりあい)の40(だい)日本人(にっぽんじん)女性(じょせい)も、同様(どうよう)のことを言っ(いっ)ていました(ただし、韓国(かんこく)でも若年(じゃくねん)(そう)になればなる(ほど)男尊女卑(だんそんじょひ)傾向(けいこう)はかなり弱まっ(よわまっ)ているようです)。

結婚(けっこん)当初(とうしょ)(おっと)実家(じっか)夫婦(ふうふ)帰省(きせい)すると、(おっと)彼女(かのじょ)食事(しょくじ)品数(しなかず)異なる(ことなる)(おっと)のほうが多い(おおい))というのです(ただし、若い(わかい)世代(せだい)になればなるほど、この傾向(けいこう)大分(だいぶ)薄まっ(うすまっ)ていくようです)。ここにも韓国(かんこく)社会(しゃかい)特有(とくゆう)の、年功序列(ねんこうじょれつ)年長(ねんちょう)(しゃ)絶対(ぜったい)(てき)偉い(えらい))・男尊女卑(だんそんじょひ)(つま)より(おっと)のほうが偉い(えらい))が(かげ)落とし(おとし)ています。なお、A(くん)(いま)のところ結婚(けっこん)する()はないと言っ(いっ)ていました。

婚約(こんやく)(しゃ)のいるB(くん)は、(よめ)(しゅうと)問題(もんだい)自分(じぶん)周囲(しゅうい)には存在(そんざい)しないと言う(いう)ものの、結婚(けっこん)については(べつ)不安(ふあん)があると言い(いい)ます。

()子ども(こども)への出費(しゅっぴ)考える(かんがえる)怖い(こわい)ですね。彼女(かのじょ)とはちゃんと話し(はなし)ていませんが、(ぼく)自身(じしん)子ども(こども)作る(つくる)()はありません。いくつか選択肢(せんたくし)がある(なか)子ども(こども)作ら(つくら)ないというよりも、教育(きょういく)()がものすごく高い(たかい)という状況(じょうきょう)からして、そうせざるをえないんです」(B(くん)

また、Dさんに交際(こうさい)相手(あいて)はいませんが、周囲(しゅうい)には「結婚(けっこん)すると(おんな)(そん)をするから」という理由(りゆう)結婚(けっこん)したくないという友達(ともだち)もいるそうです。

韓国(かんこく)社会(しゃかい)男性(だんせい)主導(しゅどう)です。(おとこ)仕事(しごと)をして稼い(かせい)で、(おんな)(いえ)守る(まもる)(おんな)仕事(しごと)をしても、結婚(けっこん)したら仕事(しごと)中断(ちゅうだん)して子育て(こそだて)をしなければならない。仕事(しごと)辞め(やめ)ないにしても、産休(さんきゅう)育休(いくきゅう)取っ(とっ)たときの社内(しゃない)男性(だんせい)からの視線(しせん)痛い(いたい)という(はなし)はよく聞き(きき)ます。韓国(かんこく)では働く(はたらく)女性(じょせい)がぶち当たる(あたる)(かべ)多い(おおい)んですよ」(Dさん)

村上(むらかみ)春樹(はるき)の「(しょう)(こう)」を求める(もとめる)韓国(かんこく)若者(わかもの)

この2(つき)発表(はっぴょう)された韓国(かんこく)合計(ごうけい)特殊(とくしゅ)出生(しゅっしょう)(りつ)は0.98と、1970(ねん)以来(いらい)初めて(はじめて)1を割り込み(わりこみ)ました。これは、少子化(しょうしか)叫ば(さけば)れながらも(どう)1.42(2018年度(ねんど))である日本(にっぽん)よりずっと少ない(すくない)()であり、韓国(かんこく)国内(こくない)では大きな(おおきな)社会(しゃかい)問題(もんだい)になっています。ただ、今回(こんかい)のヒアリングで判明(はんめい)した就職(しゅうしょく)結婚(けっこん)に際しての経済(けいざい)(てき)不安(ふあん)子ども(こども)産む(うむ)主体(しゅたい)たる女性(じょせい)社会(しゃかい)虐げ(しいたげ)られている状況(じょうきょう)などからすれば、この低い(ひくい)出生(しゅっしょう)(りつ)には合点(がてん)行く(いく)のではないでしょうか。

ヒアリングの(なか)で、A(くん)印象(いんしょう)(てき)なことを話し(はなし)ていました。(かれ)村上(むらかみ)春樹(はるき)韓国(かんこく)若者(わかもの)読ま(よま)れている理由(りゆう)として、村上(むらかみ)がエッセイの(なか)提示(ていじ)した「(しょう)(こう)(しょうかっこう、韓国(かんこく)では“そうはくへん”と発音(はつおん))」という造語(ぞうご)示す(しめす)ライフスタイルが、韓国(かんこく)若者(わかもの)気分(きぶん)にぴったり合っ(あっ)ているというのです。

(しょう)(こう)」は文字通り(もじどおり)、「小さい(ちいさい)けれど確か(たしか)幸せ(しあわせ)」という意味(いみ)です。

韓国(かんこく)若者(わかもの)たちは長らく(ながらく)、「一流(いちりゅう)大学(だいがく)一流(いちりゅう)企業(きぎょう)入ら(はいら)なければ勝ち(かち)(ぐみ)になれない」という社会(しゃかい)(てき)脅迫(きょうはく)(なか)厳しい(きびしい)競争(きょうそう)にさらされてきました。

また、物価(ぶっか)はどんどん上がる(あがる)給料(きゅうりょう)がそれに追いつか(おいつか)ず、経済(けいざい)(てき)不安(ふあん)にもさいなまれています。そんな苦しい(くるしい)状況(じょうきょう)()では、従来(じゅうらい)(がた)価値(かち)(かん)基づい(もとずい)経済(けいざい)(てき)成功(せいこう)達成(たっせい)するのはとても難しく(むずかしく)、それができるのはほんの(いち)握り(にぎり)のエリートだけ。まさしく、前回(ぜんかい)冒頭(ぼうとう)説明(せつめい)した「ヘル朝鮮(ちょうせん)(チョソン)=地獄(じごく)韓国(かんこく)」です。

(しょう)(こう)」は地獄(じごく)苦しみ(くるしみ)(なか)生きる(いきる)韓国(かんこく)若者(わかもの)たちが抱く(いだく)最後(さいご)希望(きぼう)なのかもしれません。世間(せけん)(てき)名声(めいせい)他人(たにん)誇示(こじ)する財力(ざいりょく)、つまり“大きな(おおきな)幸せ(しあわせ)”ではなく、ささやかではあっても自分(じぶん)だけが感じ(かんじ)られる、確実(かくじつ)な“小さな(ちいさな)幸せ(しあわせ)”を求め(もとめ)たい。そんな(こころ)叫び(さけび)が「(しょう)(こう)」という言葉(ことば)集約(しゅうやく)されているのではないでしょうか。

構成(こうせい)稲田(いなだ)(ゆたか)()

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