居心地(いごこち)()さ」とは関係(かんけい)ない!? 心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)潜む(ひそむ)いくつもの“誤解(ごかい)”とは

 Googleが調査(ちょうさ)結果(けっか)発表(はっぴょう)したことで注目(ちゅうもく)集める(あつめる)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)」。(なに)でも、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高い(たかい)チームは業績(ぎょうせき)もよいのだという。ただ、リクルートマネジメントソリューションズの組織(そしき)行動(こうどう)研究所(けんきゅうじょ)主任(しゅにん)研究(けんきゅう)(いん)務める(つとめる)(いま)(じょう)志保(しほ)()は「心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)誤解(ごかい)されがち」と話す(はなす)単に(たんに)メンバーの(しん)密度(みつど)や、居心地(いごこち)()さを指す(さす)誤解(ごかい)している(ひと)多い(おおい)のだとか。12(つき)5(にち)にリクルートマネジメントソリューションズが行っ(おこなっ)発表(はっぴょう)(かい)(もと)に、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)解き明かし(ときあかし)ていこう。

組織(そしき)行動(こうどう)研究所(けんきゅうじょ)今城(いましろ)志保(しほ)主任(しゅにん)研究(けんきゅう)(いん)

 今城(いましろ)()によると、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)という概念(がいねん)提唱(ていしょう)したのはハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授(きょうじゅ)。そもそもの概念(がいねん)直訳(ちょくやく)すると、「チームにおいて、()のメンバーが自分(じぶん)発言(はつげん)することを恥じ(はじ)たり、拒絶(きょぜつ)したり、(ばち)与える(あたえる)ようなことをしないという確信(かくしん)をもっている状態(じょうたい)であり、チームは対人(たいじん)リスクをとるのに安全(あんぜん)場所(ばしょ)であるとの信念(しんねん)がメンバー(かん)共有(きょうゆう)された状態(じょうたい)」となる。かみ砕く(くだく)と、「発言(はつげん)することに脅威(きょうい)感じ(かんじ)ていない」、かつ「職場(しょくば)全員(ぜんいん)がそう感じ(かんじ)ている状態(じょうたい)」を指す(さす)。この2つのうち、特に(とくに)後者(こうしゃ)難しい(むずかしい)のだという。

心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)損なわ(そこなわ)れている(れい)

 「多く(おおく)企業(きぎょう)では、ベテランがのびのびと発言(はつげん)しているケースが多い(おおい)一方(いっぽう)で、委縮(いしゅく)している若手(わかて)がいることは容易(ようい)想像(そうぞう)できる。これでは、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高い(たかい)状態(じょうたい)とはいえない」と今城(いましろ)()話す(はなす)。こうした状況(じょうきょう)打開(だかい)するために、部下(ぶか)に対して「(なに)でもいいから意見(いけん)をいってみて」と発言(はつげん)促す(うながす)管理(かんり)(しょく)少なく(すくなく)ないだろう。

 しかし、この発言(はつげん)根本(こんぽん)(てき)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ことにつながらないのだという。なぜなら、発言(はつげん)促さ(うながさ)れた部下(ぶか)上司(じょうし)だけでなく、同僚(どうりょう)など()(ひと)()()にするからだ。「上司(じょうし)部下(ぶか)個人(こじん)(てき)関係(かんけい)であれば問題(もんだい)ない。しかし、()(ひと)がどう感じる(かんじる)かという(てん)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ために重要(じゅうよう)だ」と今城(いましろ)()指摘(してき)する。では、どうすれば職場(しょくば)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ことができるのだろうか。

どうすれば心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高まる(たかまる)

 職場(しょくば)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ために、今城(いましろ)()はいくつかの段階(だんかい)分け(わけ)考える(かんがえる)べきだと主張(しゅちょう)する。まず考慮(こうりょ)すべきは、「解決(かいけつ)したい課題(かだい)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)関係(かんけい)するものなのか」ということだ。冒頭(ぼうとう)説明(せつめい)したように、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)にはいくつかの誤解(ごかい)潜ん(ひそん)でいる。その最たる(さいたる)ものとして今城(いましろ)()挙げる(あげる)のが「心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)はメンタルヘルス改善(かいぜん)との関連(かんれん)(せい)がある」という誤解(ごかい)だ。

 先行(せんこう)する研究(けんきゅう)分析(ぶんせき)すると、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)がもたらす効果(こうか)は「エンゲージメント」「(積極(せっきょく)(てき)な)学習(がくしゅう)行動(こうどう)」「(仕事(しごと)への)満足(まんぞく)()」などがあるが、メンタルヘルスの改善(かいぜん)については研究(けんきゅう)()ていないという。「心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)は“万能(ばんのう)”ではない。あくまで業務(ぎょうむ)行う(おこなう)(うえ)で、脅威(きょうい)感じ(かんじ)ずに話せる(はなせる)かどうかを示す(しめす)もの」と今城(いましろ)()話す(はなす)

心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)とメンタルヘルスの関係(かんけい)(せい)未知数(みちすう)

 解決(かいけつ)したい課題(かだい)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)関係(かんけい)するのであれば、次に(つぎに)考える(かんがえる)べきことは「(だれ)のどんな発言(はつげん)引き出し(ひきだし)たいか」だ。また、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ことで()たい効果(こうか)職場(しょくば)創造(そうぞう)(せい)対人(たいじん)関係(かんけい)改善(かいぜん)など)を明確(めいかく)にする。さらに、明確(めいかく)()した目的(もくてき)阻害(そがい)する要因(よういん)や、どうやって発言(はつげん)引き出す(ひきだす)か、といったことを検討(けんとう)していく。

発言(はつげん)しない理由(りゆう)探り(さぐり)解消(かいしょう)していこう

心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高い(たかい)職場(しょくば)特徴(とくちょう)

 では、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高い(たかい)職場(しょくば)にはどのような特徴(とくちょう)があるのだろうか。組織(そしき)行動(こうどう)研究所(けんきゅうじょ)以前(いぜん)行っ(いっ)調査(ちょうさ)によると、業種(ぎょうしゅ)従業(じゅうぎょう)(いん)規模(きぼ)職務(しょくむ)系統(けいとう)(べつ)では大きな(おおきな)違い(ちがい)()られなかったという。一方(いっぽう)で、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高い(たかい)組織(そしき)見る(みる)と、上司(じょうし)部下(ぶか)(かん)のコミュニケーション頻度(ひんど)高い(たかい)傾向(けいこう)にあると分かっ(わかっ)た。

 また、職場(しょくば)(ない)個々人(ここじん)感じる(かんじる)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)にばらつきがあればあるほど、その職場(しょくば)総合(そうごう)(てき)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)低い(ひくい)傾向(けいこう)になるという結果(けっか)()られた。今城(いましろ)()は、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高める(たかめる)ために重要(じゅうよう)なこととして「組織(そしき)単位(たんい)での取り組み(とりくみ)」を強調(きょうちょう)する。つまり、個人(こじん)心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)にフォーカスして底上げ(そこあげ)図る(はかる)のではなく、職場(しょくば)全体(ぜんたい)でまとまった取り組み(とりくみ)行わ(おこなわ)ないと、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高め(たかめ)られないということだ。

 こうした結果(けっか)踏まえ(ふまえ)今城(いましろ)()は「上司(じょうし)中心(ちゅうしん)になって周り(まわり)巻き込む(まきこむ)ことが必要(ひつよう)。そのためにも上司(じょうし)普段(ふだん)から、(だれ)(なに)話せ(はなせ)ていないのか、感じ取る(かんじとる)必要(ひつよう)がある」と締めくくっ(しめくくっ)た。

 どうしても職位(しょくい)低い(ひくい)(ひと)自信(じしん)持ち(もち)づらく、「自分(じぶん)意見(いけん)なんか……」と考え(かんがえ)(くち)閉ざし(とざし)がちだ。しかし、そうした意見(いけん)からも意外(いがい)なアイデアが生まれる(うまれる)ことは多々(たた)ある。普段(ふだん)から()配り(くばり)(だれ)もが闊達(かったつ)(かったつ)に話し合える(はなしあえる)ような風土(ふうど)づくりを上司(じょうし)心掛け(こころがけ)たい。

上司(じょうし)コミュニケーション」の頻度(ひんど)高い(たかい)と、心理(しんり)(てき)安全(あんぜん)(せい)高まる(たかまる)傾向(けいこう)
Loading