大量(たいりょう)逮捕(たいほ)中国(ちゅうごく)(ばん)ウィキリークスは(なに)をやらかした?

写真(しゃしん)はイメージです)

安田(やすだ) (みね)(しゅん):ルポライター)

 1999(ねん)開設(かいせつ)された「2ちゃんねる(以下(いか)、2ch)」はかつて世界(せかい)最大(さいだい)規模(きぼ)のネット掲示板(けいじばん)として()馳せ(はせ)たが、2010年代(ねんだい)初頭(しょとう)からユーザーの高齢(こうれい)()運営(うんえい)(しゃ)内紛(ないふん)などを理由(りゆう)に、ごく一部(いちぶ)(いた)(コミュニティ)を除い(のぞい)勢い(いきおい)失っ(うしなっ)た。2017(ねん)には「5ちゃんねる」に改名(かいめい)され、分派(ぶんぱ)として開設(かいせつ)された類似(るいじ)サイトもあまりパッとしない。

 ただし往年(おうねん)、2chが日本(にっぽん)のネットカルチャーを代表(だいひょう)する存在(そんざい)だったのも確か(たしか)だ。不謹慎(ふきんしん)ネタを好み(このみ)便所(べんじょ)落書き(らくがき)」と揶揄(やゆ)される劣悪(れつあく)なデマや誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)渦巻い(うずまい)ていたいっぽう、タテマエやきれいごとを嫌う(きらう)カルチャーゆえに、大手(おおて)メディアが報じ(ほうじ)ない際どい(きわどい)情報(じょうほう)庶民(しょみん)本音(ほんね)大量(たいりょう)書き込ま(かきこま)れていた。加え(くわえ)当時(とうじ)は2chが情報(じょうほう)の「最先端(さいせんたん)」だったことで、一部(いちぶ)のインテリ(そう)思わ(おもわ)れる人々(ひとびと)活発(かっぱつ)書き込み(かきこみ)参加(さんか)していた。

 ()過ぎ(すぎ)悪ふざけ(わるふざけ)暴露(ばくろ)行為(こうい)と、たまに見せる(みせる)意外(いがい)(あたま)()さと(はん)権威(けんい)(せい)。ゆえに黄金(おうごん)()の2chは、良識(りょうしき)ある世間(せけん)から問題(もんだい)()されつつも怪しい(あやしい)魅力(みりょく)放っ(はなっ)ていた。現在(げんざい)日本(にっぽん)活躍(かつやく)しているクリエイターには、2ch(およびその文化(ぶんか)(てき)影響(えいきょう)から生まれ(うまれ)たニコニコ動画(どうが)新都(しんと)(しゃ)各種(かくしゅ)のまとめブログなど)から()()(ひと)少なく(すくなく)ない。

 代表(だいひょう)(てき)なところではミュージシャンの(ぜん)山田(やまだ)健一(けんいち)(ニコ(どう)出身(しゅっしん))や『ワンパンマン』作者(さくしゃ)のONE(新都(しんと)(しゃ)出身(しゅっしん))、2019(ねん)松本(まつもと)清張(せいちょう)(しょう)受賞(じゅしょう)した小説(しょうせつ)()坂上(さかがみ)(いずみ)(2ch「やる(おっと)スレ」出身(しゅっしん))らが挙げ(あげ)られるが、()ならぬ(わたし)もその(いち)(にん)だ。かつて()正規(せいき)労働(ろうどう)(しゃ)だった(わたし)は、中国(ちゅうごく)(だい)規模(きぼ)掲示板(けいじばん)(ひゃく)()()吧』のスレッドを2ch(ふう)翻訳(ほんやく)したまとめブログを運営(うんえい)していたことで2010(ねん)書籍(しょせき)出版(しゅっぱん)打診(だしん)され、結果(けっか)(てき)中国(ちゅうごく)ライターとして()立て(たて)ている。

 現在(げんざい)30(だい)くらいの日本(にっぽん)表現(ひょうげん)(しゃ)にとって、若い(わかい)ころの2ch(けい)メディアでの活動(かつどう)(れき)が「(くろ)歴史(れきし)」になっている(ひと)多い(おおい)だろう。とはいえ、あの無法(むほう)地帯(ちたい)(てき)怪しい(あやしい)空間(くうかん)が、なんらかの文化(ぶんか)揺籃(ようらん)()になったことも確か(たしか)である。

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中国(ちゅうごく)染み(しみ)出し(だし)た2chカルチャーの「その後」

 いっぽう、かつて2ch文化(ぶんか)中国(ちゅうごく)にも浸透(しんとう)していた。現在(げんざい)はTikTokやスマホゲームをはじめ中国(ちゅうごく)(はつ)のネットカルチャーが大量(たいりょう)日本(にっぽん)流入(りゅうにゅう)しているが、2chが隆盛(りゅうせい)極め(きわめ)ていた2000年代(ねんだい)時点(じてん)では「先進(せんしん)(こく)」の日本(にっぽん)から発展(はってん)途上(とじょう)(こく)中国(ちゅうごく)へと文化(ぶんか)一方(いっぽう)(てき)流れ込ん(ながれこん)でいたからだ。

 例えば(たとえば)、「自重(じじゅう)」「厨房(ちゅうぼう)」「ネ(さる)」「wwww」といった2ch()中国(ちゅうごく)のネットスラングとして定着(ていちゃく)しかけたほか、ニコ(どう)やふたばちゃんねるで人気(にんき)だった東方(とうほう)Project(けい)のネタ、さらには現在(げんざい)価値(かち)(かん)では大きな(おおきな)問題(もんだい)がある淫(ゆめ)ネタや恒心(こうしん)(きょう)ネタ(内容(ないよう)詳述(しょうじゅつ)しない)なども含め(ふくめ)て、(もえ)えと悪ふざけ(わるふざけ)(はん)権威(けんい)主義(しゅぎ)がないまぜになった2ch(けい)文化(ぶんか)のノリが、当時(とうじ)はかなりの程度(ていど)中国(ちゅうごく)のネット空間(くうかん)輸出(ゆしゅつ)されていた

 加え(くわえ)中国(ちゅうごく)のネット統制(とうせい)は2010(ねん)ごろまではまだユルく、中国(ちゅうごく)から自由(じゆう)に2chやニコ(どう)にアクセスすることもできた。現在(げんざい)では考え(かんがえ)られない(はなし)だが、中国(ちゅうごく)国内(こくない)のネット掲示板(けいじばん)やブログのコメント(らん)(しん)疆の少数(しょうすう)民族(みんぞく)問題(もんだい)(ろく)(よん)天安門(てんあんもん)事件(じけん)議論(ぎろん)をおこなうことすら一定(いってい)程度(ていど)可能(かのう)だった。当時(とうじ)(わたし)が『(ひゃく)()()吧』を翻訳(ほんやく)していたのも、中国(ちゅうごく)(だい)規模(きぼ)ネット掲示板(けいじばん)には日本(にっぽん)の2chに通じる(つうじる)怪しい(あやしい)本音(ほんね)魅力(みりょく)渦巻い(うずまい)ていたからである。

 もっとも、日本(にっぽん)でTwitterの台頭(たいとう)とともに2chが衰退(すいたい)したのと同じく(おなじく)中国(ちゅうごく)でもTwitterに()()(はく)(Weibo)の流行(りゅうこう)掲示板(けいじばん)文化(ぶんか)衰退(すいたい)始まっ(はじまっ)た。加え(くわえ)()(はく)当初(とうしょ)こそ新しい(あたらしい)言論(げんろん)空間(くうかん)として注目(ちゅうもく)されたが、間もなく(まもなく)急速(きゅうそく)規制(きせい)進ん(すすん)だ。習近平(ちから)政権(せいけん)成立(せいりつ)()中国(ちゅうごく)監視(かんし)社会(しゃかい)()もあってネット言論(げんろん)萎縮(いしゅく)し、いまや中国(ちゅうごく)国内(こくない)のネット全体(ぜんたい)体制(たいせい)(がわ)のプロパガンダ装置(そうち)改造(かいぞう)されるに至っ(いたっ)ている。

 では、往年(おうねん)の『(ひゃく)()()吧』で悪ふざけ(わるふざけ)半分(はんぶん)体制(たいせい)批判(ひはん)をおこなっていた「中国(ちゅうごく)(ばん)2ちゃんねらー」たちはどこへ消え(きえ)たのだろうか? これは近年(きんねん)(わたし)がひそかに抱い(だい)ていた疑問(ぎもん)だったが、最近(さいきん)になり事情(じじょう)判明(はんめい)した。

 彼ら(かれら)末裔(まつえい)たちが、今年(ことし)になってとんでもない政治(せいじ)(てき)事件(じけん)引き起こし(ひきおこし)ていたのである。正確(せいかく)人数(にんずう)未確認(みかくにん)ながら、全国(ぜんこく)での逮捕(たいほ)(しゃ)はすでに30(にん)以上(いじょう)及ん(およん)だとみられる。

親日(しんにち)()分子(ぶんし)」の反動(はんどう)言論(げんろん)サイトとは

 以下(いか)、ドイツの国営(こくえい)国際(こくさい)放送(ほうそう)『ドイチェ・ヴェレ(Deutsche Welle)』中国(ちゅうごく)()(ばん)の2019(ねん)10(つき)30(にち)付け(ずけ)記事(きじ)翻訳(ほんやく)して引用(いんよう)しよう。

【「(はん)中国(ちゅうごく)情報(じょうほう)閲覧(えつらん) ネットユーザーが検挙(けんきょ)

 近日(きんじつ)中国(ちゅうごく)河北(かほく)(しょう)警察(けいさつ)当局(とうきょく)は、ネットを利用(りよう)してしばしば“(はん)中国(ちゅうごく)”“中国(ちゅうごく)ヘイト”情報(じょうほう)閲覧(えつらん)していた犯人(はんにん)(うけたまわ)()(そう)(きょう)公安(こうあん)(ぶん)(きょく)検挙(けんきょ)したことを発表(はっぴょう)した。捜査(そうさ)によれば容疑(ようぎ)(しゃ)()(ぼう)(15(さい)男子(だんし)(うけたまわ)())は、故意(こい)中国(ちゅうごく)歴史(れきし)歪曲(わいきょく)国内外(こくないがい)話題(わだい)のニュースや事件(じけん)曲解(きょっかい)した情報(じょうほう)を、しばしばネットで閲覧(えつらん)していたとされる。
 本件(ほんけん)のみならず、最近(さいきん)になりネットユーザーが中国(ちゅうごく)国外(こくがい)の“(はん)中国(ちゅうごく)サイト”を閲覧(えつらん)したことで警察(けいさつ)(がわ)検挙(けんきょ)される事件(じけん)がしばしば起き(おき)ている。報道(ほうどう)総合(そうごう)すると、福建(ふっけん)(しょう)厦門(あもい)()広西(ひろせ)チワン(ぞく)自治(じち)()(やなぎ)(しゅう)()など各地(かくち)警察(けいさつ)(がわ)類似(るいじ)検挙(けんきょ)をおこなっている。これらの報道(ほうどう)はみな(あく)(ぞく)ウィキ」と称さ(しょうさ)れるサイトに関連(かんれん)したものだ。
 中国(ちゅうごく)(がわ)官製(かんせい)メディアによれば、「海外(かいがい)にサーバを置く(おく)(あく)(ぞく)ウィキは、サイト(じょう)中国(ちゅうごく)侮辱(ぶじょく)中国(ちゅうごく)反対(はんたい)する反動(はんどう)言論(げんろん)がはびこり、歴史(れきし)現実(げんじつ)歪曲(わいきょく)している、親日(しんにち)()分子(ぶんし)跋扈(ばっこ)する場所(ばしょ)である。のみならず、サイト(じょう)ではさらに大量(たいりょう)中国(ちゅうごく)公民(こうみん)戸籍(こせき)住所(じゅうしょ)身分(みぶん)(しょう)番号(ばんごう)などの個人(こじん)情報(じょうほう)違法(いほう)収集(しゅうしゅう)されている。不法(ふほう)分子(ぶんし)復讐(ふくしゅう)やその他の目的(もくてき)からこれらの個人(こじん)情報(じょうほう)をネット(じょう)公開(こうかい)している」という(以下(いか)(りゃく))。

 一見(いっけん)すると、最近(さいきん)中国(ちゅうごく)ではよくある(はん)体制(たいせい)サイトの取り締まり(とりしまり)ニュースだ。だが、文中(ぶんちゅう)に「親日(しんにち)()分子(ぶんし)(せい)()分子(ぶんし))」という奇妙(きみョう)単語(たんご)含ま(ふくま)れていることにお気づきだろうか?

 (ばなし)先取り(さきどり)して言え(いえ)ば、この「(あく)(ぞく)ウィキ」((あく)(ぞく)(もと)、esu wiki)と、運営(うんえい)(しゃ)参加(さんか)(しゃ)重複(じゅうふく)する「シナウィキ」(支(おさめ)(もと)、zhinawiki)を作り上げ(つくりあげ)たのは、かつての『(ひゃく)()()吧』の一部(いちぶ)(いた)管理(かんり)(じん)や、カキコ(書き込み(かきこみ))を繰り返し(くりかえし)ていたヘビーユーザーたちだ。

 (わたし)がてっきり絶滅(ぜつめつ)したと考え(かんがえ)ていた、日本(にっぽん)萌え(もえ)文化(ぶんか)や2ch(てき)悪ふざけ(わるふざけ)ネット文化(ぶんか)染まっ(そまっ)(はん)体制(たいせい)(てき)な「中国(ちゅうごく)(ばん)2ちゃんねらー」の残存(ざんそん)部隊(ぶたい)が、大量(たいりょう)逮捕(たいほ)(げき)招く(まねく)ようなヤバいサイトを作っ(つくっ)ていたのである。彼ら(かれら)幹部(かんぶ)(そう)にはハイレベルなハッカーが含ま(ふくま)れ、中国(ちゅうごく)国内(こくない)香港(ほんこん)のほかにアメリカやカナダ・オーストラリアなど各国(かっこく)散在(さんざい)日本(にっぽん)()次元(じげん)文化(ぶんか)への(あい)高じ(こうじ)てか、日本(にっぽん)国内(こくない)暮らす(くらす)(もの)もいる。

中華(ちゅうか)ナチスへの暴露(ばくろ)攻撃(こうげき)

 (あく)(ぞく)ウィキとその関連(かんれん)カルチャーに連なる(つらなる)ウェブコミュニティは、中国(ちゅうごく)()では「(あく)(ぞく)(けん)」と呼ば(よば)れている。いずれも中国(ちゅうごく)国内(こくない)話題(わだい)を「悪ふざけ(わるふざけ)(あく)(ぞく))」(てき)表現(ひょうげん)記述(きじゅつ)しているのだが、そこには中国(ちゅうごく)(げん)体制(たいせい)への揶揄(やゆ)批判(ひはん)大量(たいりょう)含ま(ふくま)れていた。

 特に(とくに)シナウィキは「(はん)中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)」に(とく)()しており、「支(おさめ)」というサイト(めい)戦前(せんぜん)日本(にっぽん)による中国(ちゅうごく)呼称(こしょう)である「支那」と、ナチスの中国語(ちゅうごくご)(やく)(おさめ)(とう)」をかけ合わ(あわ)せたものだ(中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)中華(ちゅうか)ナチス、というわけである)。さらに在米(ざいべい)華人(かじん)運営(うんえい)する「レッドチャイナ」や、すでに閉鎖(へいさ)された「蜘蛛(くも)」など()たような活動(かつどう)をおこなうサイトも複数(ふくすう)存在(そんざい)する。

(あく)(ぞく)(けん)」の最も(もっとも)危ない(あぶない)特徴(とくちょう)は、中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)幹部(かんぶ)(かお)写真(しゃしん)身分(みぶん)(しょう)番号(ばんごう)住所(じゅうしょ)電話(でんわ)番号(ばんごう)・メールアドレスや()(しん)(WeChat)番号(ばんごう)といった個人(こじん)情報(じょうほう)をネット(じょう)大量(たいりょう)暴露(ばくろ)する(かたち)体制(たいせい)への嫌がらせ(いやがらせ)をおこなっていることだ。

(あく)(ぞく)(けん)」のTelegramチャンネルで暴露(ばくろ)されていた北京(ぺきん)()のネット管理(かんり)部門(ぶもん)責任(せきにん)(しゃ)個人(こじん)情報(じょうほう)自宅(じたく)住所(じゅうしょ)から電話(でんわ)番号(ばんごう)まですべて丸裸(まるはだか)

 これらは一流(いちりゅう)大学(だいがく)共産(きょうさん)主義(しゅぎ)青年(せいねん)(だん)書記(しょき)当局(とうきょく)のネット管理(かんり)部門(ぶもん)責任(せきにん)(しゃ)といった中級(ちゅうきゅう)レベルの幹部(かんぶ)まで対象(たいしょう)になっており、(すう)(せん)(にん)以上(いじょう)規模(きぼ)におよぶと()られる。なかでも凄まじい(すさまじい)のは、なんと近平(ちから)(むすめ)の習(あきら)(さわ)個人(こじん)情報(じょうほう)まで公開(こうかい)されていることである。

近平(ちから)(むすめ)にイタズラ電話(でんわ)殺到(さっとう)

 例えば(たとえば)2019(ねん)7(つき)(あく)(ぞく)(けん)(かく)サイトで公開(こうかい)された習(あきら)(さわ)個人(こじん)情報(じょうほう)一部(いちぶ)下記(かき)通り(とおり)だ(一部(いちぶ)伏せ字(ふせじ))。

中国(ちゅうごく)国内(こくない)住所(じゅうしょ)杭州(こうしゅう)()西湖(さいこ)宝石(ほうせき)()()●●(えん)(むね)10●(ごう)(しつ)
香港(ほんこん)マカオ通行(つうこう)(しょう)番号(ばんごう):C68731●●X 2017(ねん)発行(はっこう)
・パスポート番号(ばんごう):G35725●●●
電話(でんわ)番号(ばんごう):62677●●●
携帯(けいたい)電話(でんわ)番号(ばんごう):13810401●●●
・メールアドレス:1749108●●●@qq.com

 暴露(ばくろ)時点(じてん)で習(あきら)(さわ)使用(しよう)していた変名(へんめい)は「(すわえ)晨」で、彼女(かのじょ)はながらくアメリカに在住(ざいじゅう)中国(ちゅうごく)体制(たいせい)上層(じょうそう)()人間(にんげん)(れい)漏れ(もれ)ず、彼女(かのじょ)は6つのパスポートを使い分け(つかいわけ)ているとされる。

「シナウィキ」で公開(こうかい)されていた習(あきら)(さわ)(うえ))と習近平(ちから)(した))の個人(こじん)情報(じょうほう)現在(げんざい)閲覧(えつらん)できないが、画像(がぞう)のコピーはネット(じょう)数多く(かずおおく)出回っ(でまわっ)ている

「これで、習(あきら)(さわ)にイタズラ電話(でんわ)掛け(かけ)たり嫌がらせ(いやがらせ)メールを送る(おくる)やつが続出(ぞくしゅつ)したらしい」

 近日(きんじつ)(わたし)取材(しゅざい)した(あく)(ぞく)(けん)関係(かんけい)(しゃ)である20(だい)中国人(ちゅうごくじん)Aはそう話す(はなす)現在(げんざい)中国(ちゅうごく)国内(こくない)でサイトを閲覧(えつらん)しただけの10(だい)少年(しょうねん)少女(しょうじょ)まで続々(ぞくぞく)逮捕(たいほ)されているのは、習近平(ちから)ファミリーを狙っ(ねらっ)(あく)(ぞく)(けん)関係(かんけい)(しゃ)に対する当局(とうきょく)激怒(げきど)示す(しめす)ものだろう。逆説(ぎゃくせつ)(てき)言え(いえ)ば、上記(じょうき)情報(じょうほう)真実(しんじつ)近い(ちかい)からこそ当局(とうきょく)怒っ(おこっ)ている可能(かのう)(せい)もあるわけだ。

 従来(じゅうらい)(あく)(ぞく)(けん)サイトはアングラ好き(すき)若者(わかもの)中高生(ちゅうこうせい)面白(おもしろ)がってアクセスしており、例えば(たとえば)シナウィキの場合(ばあい)は2018(ねん)12(つき)のサイト開設(かいせつ)から2019(ねん)10(つき)17(にち)壊滅(かいめつ)までにログイン会員(かいいん)が3000(にん)、1(にち)のPV(すう)が4(まん)(けん)という規模(きぼ)だった。中国(ちゅうごく)のネットユーザーの()では「(こぼし)牆必()中国(ちゅうごく)のネット規制(きせい)突破(とっぱ)して海外(かいがい)サイトを見る(みる)(さい)には最初(さいしょ)見る(みる)べき場所(ばしょ))」とすら呼ば(よば)れていたという。

 当初(とうしょ)(あく)(ぞく)(けん)サイトの出発(しゅっぱつ)(てん)は、中国(ちゅうごく)の2ちゃんねらー(てき)(ひと)たちの「悪ふざけ(わるふざけ)」だったとはいえ、もはや機密(きみつ)情報(じょうほう)暴露(ばくろ)サイトの『ウィキリークス』に近い(ちかい)政治(せいじ)(てき)意味(いみ)持つ(もつ)存在(そんざい)成長(せいちょう)してしまったと言っ(いっ)てもいい。

(やす)月給(げっきゅう)警官(けいかん)がリーク

「習近平(ちから)高官(こうかん)ファミリーの個人(こじん)情報(じょうほう)はハッキングで収集(しゅうしゅう)されたものだが、一般(いっぱん)(とう)幹部(かんぶ)については公安(こうあん)内部(ないぶ)からのリークだ。体制(たいせい)反感(はんかん)持つ(もつ)公安(こうあん)関係(かんけい)(しゃ)がタダで提供(ていきょう)した(れい)もあるし、下っ端(したっぱ)警官(けいかん)がカネと引き換え(ひきかえ)売り飛ばし(うりとばし)(れい)もある。中国(ちゅうごく)監視(かんし)国家(こっか)だが、警察(けいさつ)(しょ)(ない)監視(かんし)カメラは機能(きのう)していないから、内部(ないぶ)人間(にんげん)がデータベースにアクセスしたパソコン画面(がめん)をスマホで撮影(さつえい)するだけで情報(じょうほう)抜く(ぬく)ことができるんだ」((ぜん)(しゅつ)(あく)(ぞく)(けん)関係(かんけい)(しゃ)A)

 下っ端(したっぱ)警官(けいかん)給料(きゅうりょう)安く(やすく)上海(しゃんはい)などの大都市(だいとし)ではそれだけでは暮らせ(くらせ)ない。だが、習近平(ちから)政権(せいけん)になってから汚職(おしょく)もできなくなった。ゆえに警官(けいかん)のなかには、なんと(とう)幹部(かんぶ)個人(こじん)情報(じょうほう)「すでに身分(みぶん)(しょう)番号(ばんごう)判明(はんめい)している人間(にんげん)なら15(げん)(やく)160(えん))、身分(みぶん)(しょう)番号(ばんごう)がわからない人間(にんげん)なら30(げん)(やく)470(えん))、ターゲットの一家(いっか)全員(ぜんいん)のデータなら60(げん)(やく)940(えん))」程度(ていど)売り飛ばす(うりとばす)連中(れんちゅう)がいたという。

 スマホで「お偉い(えらい)さん」のデータが表示(ひょうじ)されたディスプレイの写真(しゃしん)を1(まい)撮っ(とっ)外部(がいぶ)送る(おくる)だけで昼食(ちゅうしょく)1回分(かいぶん)浮く(うく)わけであり、彼ら(かれら)喜ん(よろこん)売っ(うっ)ていたようだ。

中国(ちゅうごく)下っ端(したっぱ)警官(けいかん)本当に(ほんとうに)カネがない。現在(げんざい)(あく)(ぞく)(けん)関係(かんけい)(しゃ)に対する家宅(かたく)捜索(そうさく)でパソコンやスマホやニンテンドースイッチまで押収(おうしゅう)しているが、あれらも連中(れんちゅう)個人(こじん)(てき)持ち帰っ(もちかえっ)売り飛ばし(うりとばし)ている。(ふか)圳の電脳(でんのう)(がい)(はな)(きょう)(きた)ではデジタル部品(ぶひん)驚く(おどろく)ほど安価(あんか)売ら(うら)れているが、実は(じつは)一部(いちぶ)警察(けいさつ)からの横流し(よこながし)(ひん)だ」

 ちなみに、当局(とうきょく)(しゃ)個人(こじん)情報(じょうほう)暴露(ばくろ)して体制(たいせい)攻撃(こうげき)する手法(しゅほう)は2019(ねん)6(つき)から始まっ(はじまっ)香港(ほんこん)デモでもおこなわれており、デモ(たい)のTelegram(ロシア(せい)機密(きみつ)保持(ほじ)(せい)高い(たかい)チャットソフト)チャンネル「(ろう)(まめ)搵仔」などでは香港(ほんこん)警察(けいさつ)警官(けいかん)個人(こじん)情報(じょうほう)大量(たいりょう)晒さ(さらさ)れている。

(ろう)(まめ)搵仔」において晒さ(さらさ)れている香港(ほんこん)警察(けいさつ)個々(ここ)警官(けいかん)個人(こじん)情報(じょうほう)と、ガールフレンドの個人(こじん)情報(じょうほう)街頭(がいとう)火炎瓶(かえんびん)投げる(なげる)よりも個々(ここ)警官(けいかん)有効(ゆうこう)なダメージを与え(あたえ)られる・・・と見る(みる)こともできるが

彼ら(かれら)はこうした暴露(ばくろ)作戦(さくせん)を、中国(ちゅうごく)大陸(たいりく)(あく)(ぞく)(けん)から学ん(まなん)だらしい。シナウィキの管理(かんり)(じん)の1(にん)香港(ほんこん)(じん)で、『(ろう)(まめ)搵仔』の関係(かんけい)(しゃ)友達(ともだち)だから伝わっ(つたわっ)たみたいだ」

 香港(ほんこん)ではデモ(たい)過激(かげき)()都市(とし)への落書き(らくがき)攻撃(こうげき)繰り返し(くりかえし)ているが、これらにも「Chinazi(中華(ちゅうか)ナチス)」「支(おさめ)(支那)」といった(あく)(ぞく)(けん)共通(きょうつう)するネットスラングが少なから(すくなから)()られる。どこまで実際(じっさい)人的(じんてき)交流(こうりゅう)があるかはさておき、中国(ちゅうごく)大陸(たいりく)(あく)(ぞく)(けん)サイトが香港(ほんこん)のデモ(たい)一部(いちぶ)にある程度のインスピレーションを与え(あたえ)ている可能(かのう)(せい)はある。

 なお、香港(ほんこん)のシナウィキ関係(かんけい)(しゃ)は2019(ねん)5(つき)に、上海(しゃんはい)公安(こうあん)局内(きょくない)(あく)(ぞく)(けん)個人(こじん)情報(じょうほう)流し(ながし)ていた一部(いちぶ)警官(けいかん)は2019(ねん)8(つき)逮捕(たいほ)されている。

19(さい)トランスジェンダーが獄死(ごくし)

 (あく)(ぞく)(けん)特徴(とくちょう)は、サイトの運営(うんえい)(しゃ)利用(りよう)(しゃ)変わっ(かわっ)たバックグラウンドを持つ(もつ)人物(じんぶつ)多い(おおい)ことだ。(わたし)存在(そんざい)確認(かくにん)しただけでも、天才(てんさい)(てき)なハッカーのほかに難病(なんびょう)患者(かんじゃ)起業(きぎょう)()やトランスジェンダーの女性(じょせい)戸籍(こせき)(じょう)男性(だんせい))がおり、()富豪(ふごう)息子(むすこ)少年(しょうねん)ハッカー、ウイグル(ぞく)香港(ほんこん)(じん)、キリスト教徒、女装(じょそう)趣味(しゅみ)(しゃ)などが加わっ(くわわっ)ていた模様(もよう)である。

 彼ら(かれら)はいずれも10~20(だい)で、学歴(がくれき)家庭(かてい)経済(けいざい)環境(かんきょう)比較的(ひかくてき)良好(りょうこう)らしいが、習近平(ちから)中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)徹底的(てっていてき)にバカにする危険(きけん)火遊び(ひあそび)にあえて加わっ(くわわっ)た。富豪(ふごう)息子(むすこ)除け(のぞけ)ば、彼ら(かれら)はたとえお金があっても現代(げんだい)中国(ちゅうごく)社会(しゃかい)では蔑視(べっし)差別(さべつ)受け(うけ)がちな個性(こせい)持つ(もつ)(ひと)多く(おおく)、そのことも動機(どうき)なのかもしれない。

 (あく)(ぞく)(けん)利用(りよう)(しゃ)への摘発(てきはつ)は2019(ねん)(なつ)ごろから強まり(つよまり)上記(じょうき)のうちでもカリフォルニア大学(だいがく)博士(はかせ)学位(がくい)持つ(もつ)とされる天才(てんさい)ハッカーのTypcnや、「明地(あけち)さとり」という日本語(にほんご)のハンドルネームを持つ(もつ)19(さい)のトランスジェンダー(本名(ほんみョう)(ちん)(やす))などが当局(とうきょく)逮捕(たいほ)されている。

 いっぽう、富豪(ふごう)息子(むすこ)のKという17(さい)少年(しょうねん)ハッカーは、警察(けいさつ)高校(こうこう)まで()(さい)に、前もって(まえもって)こっそりコピーしていた校長(こうちょう)のICカードのデータを使っ(つかっ)裏口(うらぐち)から脱出(だっしゅつ)国外(こくがい)逃亡(とうぼう)した模様(もよう)だ。

(あく)(ぞく)(けん)のTelegramグループに加入(かにゅう)していたことで逮捕(たいほ)され、行方(ゆくえ)不明(ふめい)になった19(さい)明地(あけち)さとり(本名(ほんみョう)(ちん)(やす))。戸籍(こせき)(じょう)身体(しんたい)特徴(とくちょう)(じょう)男性(だんせい)である

 もっとも、TypcnやKは(あく)(ぞく)(けん)幹部(かんぶ)クラスの人物(じんぶつ)だったが、今年(ことし)10(つき)17(にち)広東(かんとん)(しょう)茂明(しげあき)()公安(こうあん)(きょく)逮捕(たいほ)された明地(あけち)さとりは、(あく)(ぞく)(けん)のTelegramチャットグループに参加(さんか)していただけとされる。彼女(かのじょ)のボーイフレンドで、現在(げんざい)東南アジア(とうなんあじあ)某国(ぼうこく)逃亡(とうぼう)(ちゅう)の25(さい)男性(だんせい)はTelegramを通じてこう説明(せつめい)する。

彼女(かのじょ)逮捕(たいほ)容疑(ようぎ)別件(べっけん)で、ゲームのチートソフトを使っ(つかっ)たという名目(めいもく)でした。ただ、さとりの弁護士(べんごし)茂明(しげあき)()公安(こうあん)(きょく)確認(かくにん)した拘束(こうそく)(しゃ)リストによれば、同局(どうきょく)だけで20(にん)あまり((べつ)(あく)(ぞく)(けん)関係(かんけい)(しゃ)によれば27(にん))の(あく)(ぞく)(けん)利用(りよう)(しゃ)逮捕(たいほ)したみたいです。彼ら(かれら)は11(つき)13(にち)(べつ)場所(ばしょ)移さ(うつさ)れた(のち)はほぼ消息(しょうそく)不明(ふめい)になっています」

 さとりについては、拘置(こうち)所内(しょない)拘束(こうそく)(しゃ)用いる(もちいる)食料(しょくりょう)購買(こうばい)(よう)のICカード(外部(がいぶ)からネットでお金のチャージが可能(かのう))のチャージがなぜか不可能(ふかのう)になっていることや、家族(かぞく)に対して公安(こうあん)関係(かんけい)(しゃ)が「もう出所(しゅっしょ)待た(また)なくていい」と告げ(つげ)たとされることなどから、すでにこの世にいない可能(かのう)(せい)もあるという。

かつてカキコを翻訳(ほんやく)した相手(あいて)がいるかも

 (あく)(ぞく)(けん)創始(そうし)(しゃ)一部(いちぶ)は、もともと2008~2010(ねん)ごろに『(ひゃく)()()吧』の人気(にんき)コミュニティ「()(あつし)(いた)などの複数(ふくすう)(いた)出入り(でいり)したり管理(かんり)(じん)になったりしていた、当時(とうじ)日本(にっぽん)の2ch(けい)ネット文化(ぶんか)影響(えいきょう)受け(うけ)中国人(ちゅうごくじん)ネットユーザーたちだ。

 往年(おうねん)彼ら(かれら)が『(ひゃく)()()吧』でクソスレを立て(たて)たり煽り(あおり)合っ(あっ)たりしていた時期(じき)は、ちょうど(わたし)日本(にっぽん)中国(ちゅうごく)のネット掲示板(けいじばん)翻訳(ほんやく)ブログを運営(うんえい)していた時期(じき)一致(いっち)する。当時(とうじ)(わたし)はもしかしたら彼ら(かれら)のカキコ(書き込み(かきこみ))を翻訳(ほんやく)していたかもしれない。

 ネット掲示板(けいじばん)全盛期(ぜんせいき)から10(ねん)経ち(たち)彼ら(かれら)一部(いちぶ)危険(きけん)悪ふざけ(わるふざけ)踏み出し(ふみだし)中国(ちゅうごく)(ばん)ウィキリークスを作っ(つくっ)てしまった。さらに、その影響(えいきょう)受け(うけ)た10(だい)少年(しょうねん)少女(しょうじょ)彼ら(かれら)のサイトを閲覧(えつらん)し、未曾有(みぞう)大量(たいりょう)摘発(てきはつ)招き(まねき)つつある。

 (あく)(ぞく)(けん)のサイトは確か(たしか)にやりすぎであり、(あく)趣味(しゅみ)極まりない(きわまりない)。ただ、(わたし)は「中国(ちゅうごく)(ばん)2ちゃんねらー」たちのおかげで()出し(だし)てもらった(おん)があるし、懐かし(なつかし)混じり(まじり)愛着(あいちゃく)もある。

 自分(じぶん)がかつてパソコンの画面(がめん)を通じて触れ合っ(ふれあっ)ていた(ひと)たちの受難(じゅなん)は、どうも(こころ)落ち着か(おちつか)ない。

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