(ちゅう)(かん)米国(べいこく)大使(たいし)激しく(はげしく)嫌う(きらう)韓国(かんこく)、「日系(にっけい)」もやり玉に

ソウルにある駐韓(ちゅうかん)米国(べいこく)大使館(たいしかん)出所(しゅっしょ)Wikipedia

古森(こうもり) 義久(よしひさ)産経新聞(さんけいしんぶん)ワシントン駐在(ちゅうざい)客員(きゃくいん)特派(とくは)(いん)(うらら)(さわ)大学(だいがく)特別(とくべつ)教授(きょうじゅ)

 韓国(かんこく)でハリー・ハリス米国(べいこく)大使(たいし)(ぶん)(ざい)(とら)(ムン・ジェイン)大統領(だいとうりょう)支持(しじ)勢力(せいりょく)から激しい(はげしい)非難(ひなん)浴びる(あびる)ようになった。今や(いまや)(どう)大使(たいし)日本人(にっぽんじん)母親(ははおや)をもつ日系(にっけい)アメリカ(じん)であることも糾弾(きゅうだん)標的(ひょうてき)となっている。

 ソウルの米国(べいこく)大使館(たいしかん)周辺(しゅうへん)では、12(つき)12(にち)(ごろ)から連日(れんじつ)のように韓国(かんこく)駐在(ちゅうざい)のハリー・ハリス大使(たいし)糾弾(きゅうだん)する集会(しゅうかい)開か(ひらか)れた。集会(しゅうかい)参加(さんか)した、(ぶん)(ざい)(とら)大統領(だいとうりょう)支援(しえん)する左派(さは)(けい)政党(せいとう)(いん)市民(しみん)団体(だんたい)代表(だいひょう)たちは、「ハリス大使(たいし) 斬首(ざんしゅ)コンテスト」を行っ(おこなっ)たり(どう)大使(たいし)肖像(しょうぞう)()燃やし(もやし)たりした。「ハリス野郎(やろう)のひげを1(ほん)ずつ抜い(ぬい)てやろう」「割り箸(わりばし)でハリス野郎(やろう)拷問(ごうもん)加え(くわえ)てやる」「(つめ)切り(ぎり)でハリスの(くち)引き裂い(ひきさい)てやる」などという攻撃(こうげき)(てき)言葉(ことば)をプラカードに掲げ(かかげ)叫ぶ(さけぶ)(もの)もいた。

 こうした乱暴(らんぼう)なハリス大使(たいし)叩き(はたき)は、韓国(かんこく)のメディアだけでなく国際(こくさい)通信(つうしん)(しゃ)のロイターやロシアの対外(たいがい)ネットメディアによっても詳しく(くわしく)報道(ほうどう)された。米国(べいこく)のワシントンの国政(こくせい)()にもその動き(うごき)伝わり(つたわり)連邦(れんぽう)議会(ぎかい)などで(たい)(かん)関係(かんけい)への懸念(けねん)改めて(あらためて)深まっ(ふかまっ)ている。

駐韓(ちゅうかん)米国(べいこく)大使(たいし)のハリー・ハリス()出所(しゅっしょ)(ちゅう)(かん)米国(べいこく)大使館(たいしかん)ホームページ)

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文政(ぶんせい)(けん)支持(しじ)勢力(せいりょく)激しく(はげしく)ハリス大使(たいし)非難(ひなん)

 ハリー・ハリス()は2015(ねん)から2018(ねん)まで太平洋(たいへいよう)統合(とうごう)(ぐん)現在(げんざい)のインド太平洋軍(たいへいようぐん)司令(しれい)(かん)務め(つとめ)た、米国(べいこく)広く(ひろく)知ら(しら)れる海軍(かいぐん)軍人(ぐんじん)である。

 同氏(どうし)は1956(ねん)神奈川(かながわ)(けん)横須賀(よこすか)()生まれ(うまれ)た。父親(ちちおや)在日(ざいにち)駐留(ちゅうりゅう)勤務(きんむ)をしていた(べい)海軍(かいぐん)軍人(ぐんじん)母親(ははおや)日本人(にっぽんじん)だった。78(ねん)(べい)海軍(かいぐん)士官(しかん)学校(がっこう)卒業(そつぎょう)し、そのまま一貫(いっかん)して軍務(ぐんむ)就き(つき)海軍(かいぐん)大将(たいしょう)にまで昇進(しょうしん)した。「日系(にっけい)米人(べいじん)では(べい)海軍(かいぐん)最高(さいこう)()軍人(ぐんじん)」と言わ(いわ)れ、2018(ねん)にはトランプ大統領(だいとうりょう)から韓国(かんこく)駐在(ちゅうざい)大使(たいし)任命(にんめい)され同年(どうねん)6(つき)赴任(ふにん)した。

 ハリス大使(たいし)率直(そっちょく)言辞(げんじ)でも知ら(しら)れる。ここ数カ月(すうかげつ)、「(ぶん)大統領(だいとうりょう)周辺(しゅうへん)には、北朝鮮(きたちょうせん)独特(どくとく)親近(しんきん)(かん)示し(しめし)脅威(きょうい)をほとんど認識(にんしき)しない(ひと)たちが多い(おおい)ようだ」と発言(はつげん)して、(ぶん)陣営(じんえい)から反発(はんぱつ)買っ(かっ)ていた。

 さらにハリス大使(たいし)は、韓国(かんこく)政府(せいふ)日本(にっぽん)との軍事(ぐんじ)情報(じょうほう)包括(ほうかつ)保護(ほご)協定(きょうてい)(GSOMIA)から離脱(りだつ)しょうとした動き(うごき)強い(つよい)反対(はんたい)表明(ひょうめい)した。また、韓国(かんこく)(ざい)韓米(かんべい)(ぐん)駐留(ちゅうりゅう)経費(けいひ)負担(ふたん)現在(げんざい)年間(ねんかん)(やく)9(おく)ドルから50(おく)ドルほどにまで増やす(ふやす)べきだと韓国(かんこく)(がわ)求め(もとめ)ていた。

 こうしたハリス大使(たいし)言動(げんどう)強く(つよく)反発(はんぱつ)しているのが、韓国(かんこく)文政(ぶんせい)(けん)支持(しじ)勢力(せいりょく)のなかでも特に(とくに)左派(さは)の、北朝鮮(きたちょうせん)シンパともされる「国民(こくみん)主権(しゅけん)連帯(れんたい)」と「青年(せいねん)(とう)」だ。ハリス大使(たいし)糾弾(きゅうだん)活動(かつどう)は、これら2つの政治(せいじ)組織(そしき)中心(ちゅうしん)になって進め(すすめ)られてきた。

 また今年(ことし)10(つき)中旬(ちゅうじゅん)には、同じ(おなじ)(おや)(きた)とされる学生(がくせい)団体(だんたい)韓国(かんこく)大学生(だいがくせい)進歩(しんぽ)連合(れんごう)」のメンバー(じゅう)(すう)(にん)がハリス大使(たいし)公邸(こうてい)抗議(こうぎ)のためとして侵入(しんにゅう)し、逮捕(たいほ)された。

 韓国(かんこく)政府(せいふ)当局(とうきょく)は、治安(ちあん)維持(いじ)立場(たちば)からハリス大使(たいし)非難(ひなん)言動(げんどう)一定(いってい)規制(きせい)課し(かし)ている。だが、(どう)大使(たいし)への批判(ひはん)は、文政(ぶんせい)(けん)支持(しじ)する与党(よとう)の「共に(ともに)民主党(みんしゅとう)(ない)でも露骨(ろこつ)となってきた。たとえば民主党(みんしゅとう)報道(ほうどう)(かん)は「ハリス大使(たいし)ほど無礼(ぶれい)人間(にんげん)初めて(はじめて)みた」とまで言明(げんめい)した。また、(ぶん)大統領(だいとうりょう)外交(がいこう)安保(あんぽ)問題(もんだい)顧問(こもん)である文正(ふみまさ)(ひとし)()は、「米国(べいこく)大使館(たいしかん)(まえ)でハリス大使(たいし)への直接的(ちょくせつてき)抗議(こうぎ)活動(かつどう)行う(おこなう)のが、最も(もっとも)効果(こうか)のある対処(たいしょ)(ほう)だ」と述べ(のべ)た。

日系(にっけい)」であることが攻撃(こうげき)材料(ざいりょう)

 ハリス大使(たいし)叩く(たたく)勢力(せいりょく)にとって、(どう)大使(たいし)母親(ははおや)日本人(にっぽんじん)で、日本人(にっぽんじん)()流れ(ながれ)ていることは格好(かっこう)攻撃(こうげき)材料(ざいりょう)となっている。前述(ぜんじゅつ)の「青年(せいねん)(とう)」の代表(だいひょう)は、「ハリス大使(たいし)傲慢(ごうまん)さは、朝鮮半島(ちょうせんはんとう)統治(とうち)した日本(にっぽん)総督(そうとく)のようだ」と「日本(にっぽん)」を持ち出し(もちだし)た。

 韓国(かんこく)のメディアも、ハリス大使(たいし)を「日本(にっぽん)植民(しょくみん)()総督(そうとく)のようだ」と非難(ひなん)する。「ハリス大使(たいし)がGSOMIAの問題(もんだい)韓国(かんこく)ばかりを非難(ひなん)するのは、日本(にっぽん)とのつながりが大きい(おおきい)からだ」とする論評(ろんぴょう)少なく(すくなく)ない。

 そうした状況(じょうきょう)に対して、(べい)(かん)()の3(こく)に対して客観(きゃっかん)(てき)立場(たちば)にあるロシア社会(しゃかい)科学(かがく)(いん)極東(きょくとう)研究所(けんきゅうじょ)韓国(かんこく)専門(せんもん)()コンスタンティン・アスモロフ()は、この12(つき)に、ロシアの英文(えいぶん)メディア「(しん)東方(とうほう)展望(てんぼう)(NEO)」に(つぎ)のような内容(ないよう)記事(きじ)寄せ(よせ)た。

「ハリス大使(たいし)母親(ははおや)日本人(にっぽんじん)であることは、(どう)大使(たいし)韓国(かんこく)赴任(ふにん)同時に(どうじに)韓国(かんこく)(がわ)のナショナリストたちの()広まり(ひろまり)怒り(いかり)生ん(うん)だ。韓国(かんこく)には、ハリス()(にち)(かん)関係(かんけい)(しょ)問題(もんだい)全面(ぜんめん)(てき)日本(にっぽん)立場(たちば)支持(しじ)し、(べい)(かん)関係(かんけい)でも韓国(かんこく)米国(べいこく)(がわ)要望(ようぼう)押し付ける(おしつける)のは、(かれ)日本(にっぽん)()のためだとする非難(ひなん)がある」

(だが)「実際(じっさい)には、ハリス大使(たいし)自国(じこく)政府(せいふ)政策(せいさく)忠実(ちゅうじつ)赴任(ふにん)(こく)伝え(つたえ)ているだけだ。その表現(ひょうげん)方法(ほうほう)軍人(ぐんじん)らしく率直(そっちょく)であるため、韓国(かんこく)(がわ)反発(はんぱつ)生ん(うん)でいるだけの(はなし)だ」

 こうしてアスモロフ()は、ハリス大使(たいし)外交(がいこう)活動(かつどう)が「日本(にっぽん)()」のために影響(えいきょう)受け(うけ)ているという韓国(かんこく)(がわ)感情(かんじょう)(てき)受け止め(うけとめ)(かた)一蹴(いっしゅう)した。

 韓国(かんこく)(たび)越し(こし)たハリス大使(たいし)非難(ひなん)米国(べいこく)にも伝わっ(つたわっ)ている。米国(べいこく)連邦(れんぽう)議会(ぎかい)などでは、ソウルでエスカレートするハリス大使(たいし)叩き(はたき)への懸念(けねん)がすでに表明(ひょうめい)されている。この問題(もんだい)が、現在(げんざい)揺れ(ゆれ)ている(べい)(かん)関係(かんけい)をさらに複雑(ふくざつ)()させる要因(よういん)となる可能(かのう)(せい)生まれ(うまれ)てきた。

(※)この12(つき)、ワシントンでの米国(べいこく)(がわ)研究(けんきゅう)調査(ちょうさ)(もと)に、日本(にっぽん)米国(べいこく)に対する韓国(かんこく)屈折(くっせつ)した態度(たいど)について報告(ほうこく)した書籍(しょせき)モンスターと化し(かし)韓国(かんこく)奈落(ならく)』(ビジネス(しゃ))を上梓(じょうし)した。(ほん)コラムとあわせてお読み(よみ)いただきたい。

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